去年の2015年9月30日にガンバ大阪の新スタジアムである市立吹田スタジアムが竣工しました。このスタジアムはいくつかの日本初が含まれていますので紹介します。
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寄付で完成したスタジアム
建設費約141億円のうち105億円を個人と企業の募金で、残り35億円を環境対策などの助成金で作られました。建設費のほとんどが寄付金で建設された日本初のスタジアムです。内訳は以下のとおりです(スタジアムツアーの配布資料より)。
対象 | 金額 | 協力者数 |
---|---|---|
法人募金 | 99億5019万円 | 721社 |
個人募金 | 6億2215万円 | 34,627名 |
助成金 | 35億1333万円 | JSC・国交省・環境省 |
合計 | 140億8567万円 | 721社 |
ちなみに、個人の募金最高額はなんと100万円だそうです。
そもそもどうして出来た?
もともとのガンバ大阪のホームスタジアムであった万博記念競技場は老朽化が進み、さらにJリーグの基準(スタンドの一部に屋根がない)やFIFA、AFCの基準(収容人員の不足)を満たしていませんでした。そのため、場合によってはセレッソ大阪の協力の下、長居スタジアムで試合が開催されたことがあったため、ガンバ大阪が主導する形で地域行政に頼らない形で新スタジアム建設に着手しました。
日本初の凄いところその1:ピッチまでの距離がめっちゃ近い
スタンドの最前列からタッチラインまでの距離が7mで、日本の国際Aマッチが開催できるスタジアムの中で最短。また、ゴール裏からゴールラインまでの距離が10mとこれまた日本最短。さらにスタンドとピッチとの高低差も1.5m。選手が蹴ったボールがゴール裏のスタンドにバンバン飛び込んでくる距離です。また、コンコースは回遊可能でピッチを見ることができ、コンコース上に美味G横丁のテナントが入る予定です。
ゴール裏から。万博競技場の最前列が新スタジアムでは最後尾とのこと
バックスタンドから。向かいにベンチとVIPルームが見えています
日本初の凄いところその2:建設費が少ない
前述のとおり建設費のほとんどが寄付金で賄われていますが、そもそも4万人規模のスタジアムで建設費が140億円という金額は平均より3割ほど安くすんでいるそうです。ちなみに埼玉スタジアムは356億円。それは随所に建築費を抑える工夫がされているからです。その一つは、コンクリートや建材を現地で作るのではなく、工場などであらかじめそれらを作っておき、現地で組み立てる方式であるプレキャスト方式を用いて工期と費用を抑えました。また、見える箇所はお金をかけ、見えない場所はシンプルにお金をかけないヨーロッパのスタジアムを見習って作られました。
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日本初の凄いところその3:その他
屋根にソーラパネルを使い、500kwの電力が供給でき、照明にはLED(パナソニック製)が使われ、さらに雨水の再利用もされるというエコな作りとなっています。ちなみにLEDは約1秒で全ての明かりが点灯するそうです。また、災害時の地域の避難所にもなり短期滞在は800人、長期滞在は300人が避難できます。VIPルームも2000席と充実しており、国賓級のVIPを観戦できるようになっています(詳細は別の記事で紹介します)。
海外のメディアも納得できるスタジアム
日産スタジアムのような日本の大きなスタジアムは陸上のコースがあり見にくかったり、公共交通機関でのアクセスが悪かったり、駐車場が少ないなど、海外のメディアの人たちが満足できる日本のスタジアムは神戸(ノエビアスタジアム)だけといった状態でした。この新スタジアムはその評価を覆す、海外のメディアも納得のスタジアムになったと思います。
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